NHKにようこそ!

2007年9月27日 読書
 今日のGoogleのトップはなんの記念日を表しているのだろう。

 こんにちは。最近本を読むことに時間をとられており、それ以外に特筆すべき事柄がない。ならばと、今日は本のレビューをしようと思う。この訓練場において初の試みとなる。

「NHKにようこそ!」
 NHKとは何の略か、という問いがまず出てくると思う。まあ表紙の下部分に英語で書かれているのだけど、その実NHKという略語は本作中で様々な解釈がなされている。

 物語に出てくる主要人物は三人。ベテランひきこもりの主人公、自殺志願の娘など、その各々が様々な部分で病んでおり、その人たちの奇妙で場当たり的な交流、逃避、そして迎えるほんの少しの救いというのがこの物語の本筋。
 彼らの考えは実に悲観的で破滅的で刹那的だが、文体としては少しも暗くなく、もしかしたらこれはこれで人生を謳歌しているのかもと考えさせられてしまう。彼らの生き様は明るくて、同情できるところもあって、とても面白かった。多分いま青春のなかにいる学生より、社会人一、二年目という人の方がこの作品の評価は高いだろうと思われる。

 文庫版にて、作者の文庫版あとがきが載っている。これがまたリアルで面白い。この作者ならこれを書けると納得するに至る。それを読むだけでも値段の半分の価値があると私は思っている。だからマンガでもなくオリジナルでもなく、ぜひ文庫板を読んでもらいたい。

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